さよならモコタン

数週間前のことなんですが、このゴールデンレトリーバーは、飼えなくなったからという理由で安楽死させられました。

この家のおばさんの息子夫婦の犬だそうですが、離婚してアパートに引っ越すので、もう飼えないのだそうです。とりあえず郊外住まいのおばさんが引き取って、新しい飼い主を探していましたが、結局見つからず…。うちも一応検討したのですが、答えはNOでした。要は私も見殺しにしたということです。
ちなみに、この国ではペット不可のアパートを探すほうが難しいんですけどね。でも離婚して犬を薬殺する人がすごく多い。処分専門の施設というのは無いようで、自分で獣医師に持ち込んで注射して殺します。

さて、この家は散歩コースにあり、犬の貰い手を捜している話を聞いてから随分経ってもこの子が居るので「もしかしておばさんが飼う事になったのかも…」なぁんて楽観的に考えていました。チャバさんにしっぽを振ってくれて、逢うのを楽しみにしていてくれる様子が可愛く、「モコタン」と名前を勝手に付けて声をかけていました。
近所のハミルトンシュトーバレと一緒に散歩してこの写真を撮った次の日、宿六が「ゴールデンレトリーバーがうちの庭にいるんだけど、あの犬かなぁ」というので出てみたら、間違いなくモコタンでした。柵を飛び越えて、歩いて来たみたいです。捕らえて綱をつけるのがちょっと怖かったですが(ゴルって急に噛むことがある印象なので)大人しく従ってくれました。チャバさんは、自分の場所を侵略されたと思ってガオガオ怒っていました。食事の支度があったので、宿六がモコタンをつれておばさんに届けました。
そうしたらおばさんは暗い顔をしており、明日がこの犬の薬殺の日だと。「明日眠らされるのが判ったのかしら?」と。
モコタンが死期を悟ってチャバさんのところへ最後の挨拶にきてくれたのかと思うと、やりきれない気持ちになりました。それからモコタンの薬殺まで10数時間あったわけですが、「私たちが飼います」とおばさんの家に出向くこともせず。そしてモコタンは居なくなってしまったのです。