ハンドルネーム「けいとう」の由来

■箱
はてなIDのkeitoubox、ブログタイトルの「けいとうぼっくす」は屋号でして、私自身のハンドルネームは「けいとう」です。そのハンドルネームの後についたboxについて、ささっと解説。
箱とは、プライヴェートな愉しみを仕舞うもの。飾り棚や展示ケースとは違います。お気に入りのコレクションをお客さんに披露すべくキャビネットに並べるというよりも、私は気が向いたときに箱をそっと開けてニヤニヤしているほうが楽しいのです。ようは自己満足な人間なのです。
このブログもそういう楽しいひと時を反芻するようなもになると思ったので、boxとしました。

■けいとう
けいとうは好きな花の名前です。
(ここからが長いです)
可愛い・きれい とはちょっと違う感じの花に、変人扱いばかりだった自分は共感したのでしょうか。

■「アストラカン
鶏頭、ニワトリのトサカというよりも、この花はアストラカンにそっくり。

ストラカンとはね、上から見たこの花のようなグニュグニュ曲がりくねったウネの、ベルベットのような光沢を持つ不思議な毛皮のことです。
大変に美しく、近寄り何かと訊ねれば「アストラカン、羊のハラコの毛皮です」と。羊の胎児の皮をはいで人間が着るというグロテスクさは今想像してもハンパ無い。当時子供だった自分は衝撃を受けました。

でも美しいんですよね。感触も素晴らしかった。なぜ美しいと思ってしまったのでしょうか。防寒性もある実用的な毛皮だということです。

けいとうの花は私の脳内では「ハラコの毛皮」と繋がっているのです。

■香田君へのレクイエム
あともう一つ、このハンドルネームが浮かんだ背景には、ちょっと上手く説明できない「思い」があります。
それはイラクで殺害された香田君のことです。
何か強い思いがあって外国まで来てしまい、運悪くとんでもない目にあってしまった大人しそうな子。
私もフラフラと(いちおう安全な場所ではあるが)最果ての地までやってきてしまったので他人事とは思えなかった。

「(日本に)…帰りたいです」というシンプルな言葉は衝撃だった。
自分もいつかその切実すぎる叶わぬ願いの言葉を発するかもしれないな、と思った。
帰してあげたかったが、当然自分には何もできませんでした。

(殺害ビデオは見なかった。)悪人を処刑する鬼のみに許される行為を、自分たちに信条があるからという理由で、平気で(というか嬉々として)非力な罪なき人に行う犯人どもに激しい憎しみを覚えた。

人間はどうしてこんなことができるんだろうと自らに問うたとき
自分は信条に基づいてニワトリの頭を落としたことがあることに気づきました。
その信条とは「肉を食べるなら自分で全部やってみる。もし無理ならベジタリアンになる」という、なんだか中二のようなイデオロギーでしたwま、そのときの自分があったから今の自分があるんだけどね。
バカネーチャンにもたもた首切られる鶏はたまったもんじゃない。
酷いことをしました。
美味しく戴いたけど。

畜生のアタマと人間のアタマを一緒くたにしちゃいけないんだけどさ。
やってる側の傲慢さは、私もあの犯人たちと同じ。

「信条があれば、他者に何をしてもいい」に関しては迷いがあるべきではないか?
そう気づいたのです。
私は、迷いながら、罪を背負いながら、生きてゆきたい。

それが「鶏頭」の思い出させるもの。
生き物の頭という名を花につけるのもチョット奇妙ですよね。

これが私のハンドルネームの由来です。