豚足の思ひ出

今日の夕食は豚足まがいの豚の煮込みでした。日本で食べられるような豚足は無いのですが、足の上のほうを皮付きで塩漬けにしたのが売っています。塩分がすごいんですが、野菜と煮込むと溶けかけた皮がモチモチしてなかなかウマイ。
日本では中華の醤油で煮込んだのをハフハフ言いながらよく食べていました。ところがある日、連れて行ってもらった店で出てきたのは、冷たい白い豚足でした。足を骨もろとも縦に半分にぶった切ったもので、毛とか生えたまんまで標本のよう。味は、湯がいただけを冷やしたみたいなの。確か塩を付けて食べたような記憶です。最初はその見た目が気持ち悪かったし、しょうゆ味もないので味もダイレクトな感じ…でも食べ始めるとけっこう病み付きになって、何度か足を運びました。臭みが無くて、豚足のウマ味が堪能できるというか。
そのお店は街外れの、夜はやたらと暗い場所にあったのですが、近所の人なのかパジャマを着た人がよく来て食べていました。私はパジャマに食べ物の臭いがつくと寝付けないほうなので、なんでジャージで来ないのかちょっとナゾでした。が、ほどなくしてナゾはとけました。近くに大きな病院があって、パジャマの人たちは入院患者だったらしい。(勝手に飲み屋に来ていいのか?)夜とても暗かったのは、そこに長い塀が巡らされていて木がうっそうとしていたからみたいでした。
一度、豚のつま先まで出てきて、足の裏には肉球が付いていました。あれはたまげた。豚にも犬と同じ肉球がついているんですね。爪は紛れも無い豚の爪でしたので、犬じゃないです。そんなわけで、見た目は最後まで気持ち悪かったんですが、あの味は他にはぜったい無くて、またあれをツマミにしてビールが飲みたいなぁと時々思うんです。