ドイツ宝石博物館 その2

常設展示の第2室。瑪瑙の加工の重要性について理解が深められる展示でした!原石はドイツ産、外国産が混じっています。

1875年にイーダーオーバーシュタインで作られた高杯。原料はブラジル産のオニキス。
想像するに、原石はグレーの塊だったんじゃないでしょうか?削って初めて美しい柄が見えてくる。どんな道具で彫ったのかわかりませんが、細かくて正確な細工ですよね!

私達はしばしば瑪瑙の中に「絵」を見出します。ですが原石の中は三次元、立体。すなわち削りだし方によって異なる模様が出てくるのです。カット、研磨の重要さがわかります。

まるで繊細なミニチュアの風景画のようなブラジル産瑪瑙。風景の付いた石と言えばピクチャージャスパーを思い浮かべますが、それと大きく異なるのはこの透明度ではないでしょうか?厚みがあったらせっかくの絵柄が良く見えないはずで。極限まで薄く削ることにより、はじめて鑑賞が可能になるのです。

ブラジル、パライバ産の仮晶瑪瑙。水晶が消失したあとの空洞に出来たためにカクカクした形らしいんですが、こんな見事な集合体は初めて見ました。この石の切断方向を90度間違ったら…えらいことですよねw

ご当地のカーネリアンのカボション、ビーズ。綺麗な柄が出るように吟味されて切り出されているのがわかります。

川流れの瑪瑙などはそのままで鑑賞できる場合があります。が、多くの瑪瑙は熟練工による加工により初めて美が引き出され、人の目を楽しませることが可能になるのだなと再認識しました。

他の部屋でもですが、ガラスケースの下には大きな瑪瑙ノジュールや水晶がどーんと置かれています。
このケースの上に並んでいるのは一つの瑪瑙をスライスしたもの。